ベントグラスの暗色パッチ――2021年11月26日のインスタグラム投稿

2022年1月13日木曜日

パッティンググリーン ベントグラス 寒地型芝 紅葉 秋の植物(9~11月) 西洋芝 那須の植物 本社社屋周辺

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昨日は冬枯れ前のノシバの紅葉をご紹介しましたが、紅葉するのはなにも暖地型芝草ばかりではありません。寒さに強いとされる寒地型芝草でも種類や条件によっては紅葉することがあり、しかもその色づき具合には同じ芝種でも品種や個体差、生育条件などによりかなりの違いが見られます。

1枚目は昨日撮影した当社の敷地内にあるパッティングリーンですが、こちらに使用されているクリーピングベントグラスも然りで、部分的にですが紅葉している箇所があり、それが暗色のパッチ(アントシアン斑、またはアントシアニン斑などと呼ばれます)として認められます。

(※画像はクリック / タップで拡大表示できます)


ちなみに、アントシアン、アントシアニンとは赤色や紫色の元となる植物色素のことですが、さらにアントシアニジンという似た物質もあってかなりややこしいことになっています。一応、アントシアンというのがアントシアニンやアントシアニジンなどの総称で、アントシアンがどちらかというと古い呼び方となり、最近はより厳密に「アントシアニン」と呼ぶことが多い、とのことですが、芝生業界やゴルフ場業界ではすでに「アントシアン」の呼び方が定着しているので、ここではアントシアンを使わせてもらいます。

2枚目はピンとカップを入れて撮影した写真ですが、カップの右斜め上に面白い形をしたアントシアン斑があることにお気づきでしょうか。黒ずんだ大きなアントシアン斑の中に丸い形をした緑色の箇所が残っていますね。これはカップの切り替えをした跡です。その部分の写真が3枚目で、4枚目は境界部分のアップです。




そして、5枚目は緑を保つアントシアンの少ない箇所(アントシアンを生成しにくい系統)、そして6枚目が少し紅葉している箇所(アントシアンを生成しやすい系統)の写真になります。



遠目には黒ずんで見えるアントシアン斑ですが、6枚目のように芝の一本一本を見ると、色づいているのはまだ一部の葉だけで、しかも赤いのは葉先などの一部分でしかないことが分かります。ですが、これはまだ晩秋だからで、冬に入って寒さが厳しくなればアントシアンもさらに増え(一方、クロロフィルは減少し)、より多くの葉(葉のより多くの部分)がさまざまに色づくものと思われます。また、寒さと乾燥で葉先の褪色も進むので、赤や紫に黄色や枯草色の部分が加わって、ベントグラスの葉色はさらに複雑に変化します。決して「美しい」と言えるような変化ではありませんが、冬期にはぜひ、そうした葉色の変化を逐次、ご紹介できればと思っています。

7枚目からは、先週末に引き続き、当社の八重咲きのサザンカの写真をご紹介します。
前回は葉陰にある花でまとめてみましたが、今回は光を意識した写真です。
直射光の有無にかかわらず、そこに光の存在が伺える、そんな写真を選んだつもりです。4枚ほどありますのでパラパラとめくってご覧ください。





それでは、今週はこの辺で。皆さま、どうぞ良い週末をお過ごしください。

 


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